甲状腺機能異常:だるさが取れません

 

ふだんその働きを意識することのないのが甲状腺です。

でも、甲状腺の病気にかかるのは圧倒的に女性です。

特に20代から30代に多く見られます。

疲れやむくみなど、症状がふだんの不調と変わらなく見えるのも特徴です。

女性なら誰でも無縁でない甲状腺の病気、ぜひ基礎知識を知ってください。

甲状腺って?

喉の中央の喉仏のすぐ下、気管のすぐ前にあり、羽を広げた蝶のような形の甲状腺。

大きさは、縦3~4cmほど、正常な状態であれば外から触れてみてもわからないくらい小さいです。

サイロキシンとトリヨードサイロニンの2種類の甲状腺ホルモンを作り出している内分泌気管が甲状腺です。

ややこしい名前のホルモンだけれど、食べ物をエネルギーに変え、体の新陳代謝を促す役割を担っています。

体の細胞がいきいきと活動するために欠かせないホルモンです。

つまり、甲状腺は”元気のもと”を作りだしている器官なのです。

どうして病気になるの?

甲状腺の病気の原因は、実ははっきりとわかっていません。

患者数の多いバセドー病や橋本病は、体にもともと備わっている免疫システムがバランスを崩し、自分自身を攻撃してしまう、原因不明の”自己免疫疾患”のひとつです。

家族に同じ病気の人がいる患者も少なくないけれど、遺伝だけが原因とは限りません。

そこにさまざまな要因が重なって発病すると考えられています。

検査は大変なの?

自分では気づきづらいのが、甲状腺の病気の特徴でもあります。

首が腫れるなどはっきりした症状以外は、疲れる、だるいといった不定愁訴様の症状が多く、発見が遅くなることが多いです。

心配なときは専門医の検査を受けることが早道です。

血中の甲状腺ホルモンなどを測る血液検査は、その日のうちに結果がわかります。

形の異常がないかを見るにはエコー検査を行います。

甲状腺の代表的な病気

バセドー病

症状チェック

□ 動悸がする

□ 体重減少

□ 手が震える

□ イライラする

□ 首が腫れるく

□ 汗が出る

□ お腹をこわす

□ だるい

□ 眼球が出る

甲状腺の働きが、活発になりすぎ、疲れなどの症状が。

甲状腺ホルモンが必要以上に作られてしまうのがバセドー病です。

甲状腺の病気の中では比較的男性もなりやすい病気だけれど、それでも男女比は1対4です。

やはり女性に多い病気です。

発症年齢のピークは20~30代です。

つまり、若い女性に多い病気ということになります。

甲状腺機能が活発になる「亢進」状態であるために、代謝が進み、疲れや動機、手や指の震え、痩せるといった症状が現れます。

甲状腺全体が腫れて、首が太くなることもあります。

たとえるなら、常に走っているようなものです。

とにかく疲れるのが特徴です。

眼球突出の症状が現れるのは20~30%です。

橋本病

症状チェック

□ 疲れやすくなる

□ 手足がしびれる

□ 冷えやすい

□ 声がかすれる

□ 皮膚がかさつく

□ 無気力

□ むくむ、太る

□ 首が腫れる

□ 便秘気味

甲状腺に慢性の症状が起きて、働きが低下することも。

免疫の異常によって、甲状腺に慢性の炎症が起こる病気です。

甲状腺炎とも呼ばれます。

バセドー病に比べてさらに女性の発症率が高く、男女比は1対20にもなります。

40代、50代の女性に多いです。

ですが、若い世代も油断はできません。

甲状腺の機能が炎症によって低下し、元気がなくなる、太る、冷える、などバセドー病とまったく反対の症状が起きます。

”元気のもと”がなくなってしまった状態のため、うつなどと誤診されることもあります。

甲状腺全体が腫れることが特徴ですが、腫れが少なく、目立たないことも多いです。

痛みや、喉への圧迫などは、通常は起きません。

しこりができることも

甲状腺にしこりができる病気もあります。

多くは、腺腫や腺腫様甲状腺腫など、良性の腫瘍です。

しこりの中が液体の、のう胞が多く見られます。

いずれも甲状腺の機能に影響を与えることはありません。

が、まれに悪性のこともあるので、しこりを見つけたらエコーなど検査を受けることは必須です。

万が一悪性の場合は、手術療法が行われるが、日本人の甲状腺がんという悪性腫瘍の中ではたちの良いものがほとんどです。

適切に手術をすれば、まず心配はありません。

治療は?

薬物で治療するケースがほとんどです。

バセドー病なら甲状腺ホルモンの合成を抑える薬を服用し、橋本病では不足している甲状腺ホルモンを薬剤で補います。

たいていは薬物療法で日常生活が送れるようになります。

いずれも、良くなったと思っても、脂漏と判断をせず、薬をきちんとのみ続けることが大切です。

ほかにバセドー病の治療には、放射性ヨード治療や手術による甲状腺摘出治療などがあります。

その人のライフスタイルや、薬の副作用の有無などで治療法を選びます。